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2016年08月19日

【会社設立するなら知っててほしい】後出しじゃんけんは禁物です!!役員報酬の決定方法

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【会社設立するなら知っててほしい】後出しじゃんけんは禁物です!!役員報酬の決定方法

みなさん、こんにちは。仙台税理士・公認会計士の伊藤宏平です。

さて、今日のお話は、法人税法における「役員給与」の取扱いのお話です。

役員報酬ってみなさんお分かりですよね?

そう、会社の社長をはじめ取締役、監査役などの役員さんたちの給料ですね。

交際費、寄付金と続いてきましたが今回の役員給与は、今までと比べて特別複雑なものではありませんので気楽に読んでいただければと思います。

前回の交際費については、以下のリンク先を参照してください。

中小企業の経営者に知っててもらいたい交際費等のあれこれ【法人税1-交際費等】

前回の寄付金については、以下のリンク先を参照してください。

無料より高いものはないですよ。法人による寄付金の制限【法人税2-寄付金】

 

【役員給与の税務上の考え方とは?】

会社は、自分で行動することはできません。

そのため会社を動かす脳みそのような役割を担ってもらう人が必要です。

その人たちが取締役となります。取締役の中のリーダーが代表取締役となります。

会社は、取締役と委任契約を結んでおり、その業務の対価に対して役員に給与(報酬)を支払うこととなります。

役員給与に対して法人税法上、目を光らせて見張っています。

それは、なぜでしょうか?

簡単に言いますと、利益がたくさん出ているときは、役員給与を多くすることで利益を減らすことが可能です。

一方、業績が悪いときは役員給与を減らせば利益に対する圧迫を減らすことが可能です。

このように、会社を経営する役員たちが自分らの役員給与を調整することで会社の業績を調整することができてしまいます。

そのため、好き勝手に操作する行為を税務上は排除することを考えています。

すなわち、経営者=役員たちの「恣意性を排除」するという意味です。

 

【原則は後出しじゃんけん禁止です】

「恣意性の排除」をするための方法として法人税法では3つの方法のみ役員給与について認めています。

  1. 定期同額給与(法人税法34条1項1号)
  2. 事前確定届出給与(法人税法34条1項2号)
  3. 利益連動給与(法人税法34条1項3号)

それぞれについて以下で説明します。

<定期同額給与>

これは、簡単です。毎月の役員給与が同額であることです。

同額にするのであれば、税務上「恣意性を排除」できるため認めますよ。ということです。

<事前確定届出給与>

これは、役員に対する賞与と考えてください。

役員に対して賞与を支払う場合は、株主総会決議日から起算して1か月以内に賞与をいくら払う予定なのか

「事前確定届書」を提出してくれれば、税務上「恣意性を排除」できるため認めますよ。ということです。

<利益連動給与>

これは、利益に連動して給与を算定して支給する方法です。

条件が細かく設定されています。

まず、非同族会社であること、有価証券報告書に具体的な算定基準とそれぞれの対象者の算定結果を記載する方法です。

ここまで開示義務があれば、税務上「恣意性を排除」できるため認めますよ。ということです。

 

【例外で後出しじゃんけんが認められる場合もある】

前述で「原則、後出しじゃんけん禁止です」ということをお話ししました。

目的としては、役員たちが会社の利益の状況をみて役員給与を操作(恣意性を排除)することを防ぐためでした。

ただし、会社の状況に応じて時には、例外的に後出しじゃんけんを認めることもあります。

  1. 特別の事情によって認められる期首から3か月経過後の改定
  2. 臨時改定事由による改定
  3. 業績悪化改定事由による減額改定

それぞれについて以下で説明します。

<特別の事情によって認められる期首から3か月経過後の改定>

特別の事情によっては認められることとなりますが、法人税基本通達9-2-12の2で例を示しています。

ここでは、具体的な記載は省略しますが、簡単に言いますと親会社や監督官庁などで決議した後でないとこちら側としての役員給与を決められない場合が挙げられています。

これはあくまでも例です。他にも物理的、構造的な要因で期首から3か月以内に決定できないような特別な事情があるのであれば認められることとなります。

<臨時改定事由による改定>

これは、役員の期中の昇進、退任や職務の変更などやむを得ない事情が該当します。

こちらも法人税基本通達9-2-12-の3で例を示しています。

簡単に言いますと副社長から社長に昇進したことによる増額。

役員が急病のため従来の職務を執行できなくなったことによる減額。

役員の不祥事により社会的な制裁としての減額。

これらもあくまで例なので職制上の地位や職務内容の重大な変更など改定事由が合理的な場合は認められることとなります。

<業績悪化改定事由による減額改定>

これは、タイトルの通り、業績が悪化したことによる場合です。

ただしこの業績悪化については、どの程度の業績悪化なのかにもよります。

軽微な業績悪化についても認めてしまうとそもそもの「恣意性の排除」が達成できないこととなります。

ですので法人税基本通達9-12-13で法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかった程度では認められません。

例としては、次の3つを挙げています。

  1. 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任からの減額
  2. 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議における減額
  3. 業績や財務状況の悪化、資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性からの減額

 

【役員給与の税務上の処理は?】

ここまでお話しした通りです。

原則、後出しじゃんけんは禁止です。ですので例外を除く後出しじゃんけんで行った改定部分については、すべて税務上、損金不算入となります。

【まとめ】

原則、後出しじゃんけんは禁止で事前に確定していることが必要でした。具体的には、以下の3つです。

  1. 定期同額給与
  2. 事前確定届出給与
  3. 利益連動給与

例外として、以下の状況が認められる場合は、後出しで改定することが可能でした。

  1. 特別の事情によって認められる期首から3か月経過後の改定
  2. 臨時改定事由による改定
  3. 業績悪化改定事由による減額改定

いかがでしたでしょうか。役員給与は「恣意性の排除」の観点から税務上、目を光らせています。ですので支給する際は、留意してください。

【編集後記】

オリンピックもそろそろ折り返しですね。個人的には、女子レスリングの吉田選手残念でした。でも3度も連覇しているのですから胸を張ってもらいたいです。

そしてメダルはともかくとしてトップ選手のゴルフのプレーも気になります。

まだまだ目が離せませんね。

会社を仙台で設立するなら税理士・公認会計士の伊藤宏平にお任せください。

それでは、また。