ブログBlog

2017年07月30日

個人で事業を開始した際に提出するもの

カテゴリー:
個人で事業を開始した際に提出するもの

みなさん、こんばんは。仙台税理士・公認会計士の伊藤宏平です。

個人事業主として事業を始める方、おめでとうございます。

待ちに待った事業の開始ですね。
ここまでの道のりは肉体的、精神的に不安と期待が錯綜したのではないでしょうか?
ただ夢に見た事業です。これから人生の第2章の始まりですね。

さて、そんな個人の方が事業を始めると本当に日々やることがたくさんでてきます。
営業による集客(会合含む)や事務処理、雇用、資金繰り計画など。やることてんこ盛りです。

今回は、開業した際に忘れずに提出してもらいたいものをお話します。
こういう書類は、よく面倒くさがって提出しない方がいると聞きます。
せっかく事業を開始したのに残念です。こういった開業時に必要な提出書類は抜かりなく提出するようにしましょう。

目次

1.管轄する税務署への提出書類一式

事業を開始した際は、税務署に提出する書類が多岐にわたります。それら資料の説明をします。書類は多いのですが記載する内容はそんなに難しいものはありませんので安心してください。

提出書類 説明 書類リンク
1.個人事業の開廃業等届出書 新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときの手続です。
【提出期限】
事業開始の日から1ヶ月以内です。
外部リンク:個人事業の開廃業等届出手続/申請用紙(pdf形式)
2.所得税の青色申告承認書 申告書には、白色申告と青色申告があります。提出は任意ですが、青色申告の方が白色申告と比べて税制有利になります。積極的に提出しましょう。
【提出期限】
事業開始の日から2ヶ月以内です。
外部リンク:所得税の青色申告承認申請手続/申請用紙(pdf形式)
3.所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 「減価償却資産の償却方法」は、定率法による償却などを選択したい場合に記入して提出します。個人事業主の場合、提出しなければ全ての資産につき定額法の償却となりますのでご注意を!
【提出期限】
開業年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに提出します。
 外部リンク:所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続/用紙は、棚卸資産の用紙と兼用となります。
4.所得税の棚卸資産の評価方法の届出書 棚卸資産の評価方法」は、記入して提出しなければ、原価法(最終仕入原価法)を選択したものとみなされますのでご注意を!
【提出期限】
開業年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに提出します。
外部リンク:所得税のたな卸資産の評価方法の届出手続/申請用紙
5.所得税(消費税)の納税地の変更に関する届出書 住所と事業所が異なるときに、地域を管轄する税務署に届け出すことが必要です。
【提出期限】
上記、1を提出する際に一緒に提出しましょう。
外部リンク:所得税・消費税の納税地の変更に関する届出手続/申請用紙
6.青色事業専従者給与に関する届出書 家族(奥さんなど)と一緒に事業を開始する場合に提出しましょう。
【提出期限】

開業の日や専従者がいることとなった日から2ヶ月以内です。
外部リンク:青色事業専従者給与に関する届出手続/申請用紙(pdf)
7.給与支払事務所等の開設等届出書 従業員を雇用していなければ、提出の必要はありません(個人事業主は「給与支給」というものが無いため(確定申告による税納付のため)、この届出書の提出は必要ありません。
【提出期限】
従業員雇用の日や、開設・移転又は廃止の事実があった日から1か月以内に提出が必要です。
外部リンク:給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出/申請用紙
8.源泉所得税の納期特例の承認に関する届出書 雇用人数が10人以下の場合、毎月10日納付ではなく、年2回、7月10日と1月20日に半年分の源泉所得税の納付で済みます。従業員を雇用していなければ(事業主1人の事業の場合は)、「給与支給」というものが無いので(確定申告による税納付のため)、この届出書は関係ありません。
【提出期限】
納期の特例を希望する際に提出する。
外部リンク:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請/申請用紙

 

2.都道府県事務所への提出書類

事業開始時は、税務署だけでなく、都道府県税事務所(都税事務所/府税事務所/県税事務所)へ提出する書類があります。確定申告後に個人事業税が発生した場合、税務署から都道府県税事務所へ課税の内容が通知されます(ご自身で届け出なくても、個人事業税の納税通知書が自動的に送られてきます)。

提出書類 説明 書類リンク
1.個人事業開始申告書 この書類は、税務署に届出する個人事業の開廃業届出書と類似した内容で、難しくないので開業後に他の書類と併せて提出することをお勧めします。
【提出期限】
開業後、速やかに提出
 外部リンク:宮城県-個人事業税に関する様式/申請用紙

 

3.市区町村への提出書類

市区町村役場(市役所/区役所、町村役場)に対しても提出が必要となる書類があるんです。同書類を県税事務所の1ヵ所へ提出するだけで済む地域もあります(市役所等への提出が不要な場合もある)。詳しくは、最寄りの県税事務所や市役所へ問い合わせてみましょう。

提出書類 説明
1.個人事業開始申告書 この書類は、都道府県税務署に届出する個人事業の開廃業届出書と類似した内容で、難しくないので開業後に他の書類と併せて提出することをお勧めします。
【提出期限】
開業後、速やかに提出

 

4.従業員を雇用する場合

(1)労働基準監督署

従業員を雇用する場合(1人でも雇っている場合)は、労働保険関係の届け出をする義務があります。ちなみに個人事業主は、雇用主なので労働保険の加入者の要件に該当しないので加入はできません。

労働保険は、「労災保険」と「雇用保険」を合わせた総称です。労災保険は、勤務時間中などに怪我や病気になった際、従業員や遺族に保険給付を行うものです。雇用保険は、従業員が失業したときに失業手当を給付するものです。雇用主として従業員、従業員の家族を守るためにも必ず加入しましょう。事業を始めたばかりでお金に余裕がないために未加入となるその後の労使間のトラブルになりますし、経営者としての質を問われますのでご注意を。

提出書類 説明
1.労働保険関係成立届 【提出期限】
従業員を雇用した時から10日以内
2.労働保険概算保険料申告書 【提出期限】
従業員を雇用した時から50日以内

(2)ハローワーク(公共職業安定所)

従業員を1人でも雇用する場合は、ハローワークに提出する書類があります。忘れずに出しておきましょう。

提出書類 説明 書類リンク
1.雇用保険適用事業所設置届 労働基準監督署に提出する書類の一部を添付する必要があります。
【提出期限】
従業員雇用の日から10日以内
外部リンク:ハローワーク雇用保険適用事業所設置届
2.雇用保険被保険者資格取得届 労働者名簿、雇用契約書などを添付する必要があります。
【提出期限】
従業員雇用の日から10日以内
外部リンク:ハローワーク雇用保険被保険者資格取得届

 

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。開業すると提出書類が多いですよね。せっかく事業をスタートしたので提出書類が多いのと複雑な部分で未提出になってしまったということがないようにしましょう。何かご不明点がありましたら何なりとご相談ください。無料相談はこちらから。

仙台税理士・公認会計士の伊藤宏平でした。

それでは、また。