みなさん、こんにちは。仙台税理士・公認会計士の伊藤宏平です。
さて、最近、私の友人から立て続けに「個人事業主と法人化(会社設立)であればどっちがいいの?」と相談がありました。
ということで、個人事業主から法人化(会社設立)することのメリットとデメリットについて投稿していこうと思います。
世の中には、個人のまま事業を行う個人事業主と法人として事業を行う場合があります。今回は、法人化(会社設立)することによる税金メリットの1つを紹介したいと思います。
目次
【税金メリット1】
・自分に給与を支払うことで「給与所得控除」を受けることができ、税金を安くできる。
さて、「給与所得控除」って何でしょうか?会社から給与をもらうサラリーマンであれば受けている控除です。
具体的には、個人事業主であれば、必要経費として様々な経費(交際費なども)が認められて売上(収入)から控除しています。
しかし会社員は雇用契約による従業員なので個人事業主のような必要経費は一般的に認められません。
でもたまに思いませんか?スーツ代、Yシャツ代やお客さんの接待代だって会社員からすれば必要経費でしょ?と感じませんか?
そういった会社員にだって必要経費は当然にしてあるので個人事業主が認められている必要経費との公平性を保つために、「給与所得控除」を設けて一定の金額に対して控除が認められています。
【個人事業主の所得金額の計算の仕方】
前提:売上高1,000万円 必要経費400万円
上記、前提とした場合、事業所得金額は、売上高1,000万円-必要経費400万円=600万円となります。
個人事業主の場合、売上高から必要経費を控除して余った金額から必要な税金を控除したものが自分の給与となります。
【法人の所得金額の計算の仕方】
前提:売上高1,000万円 自分への給与600万円 その他必要経費400万円
上記、前提とした場合、法人所得金額は、売上高1,000万円-自分への給与600万円-その他必要経費400万円=0円となります。
法人の場合は、個人事業主と違い自分への給与が経費として認められるため上記前提とした場合、法人税の所得金額は0円となります。
【給与所得者の所得金額の計算の仕方】
前提:自分への給与600万円
上記、前提とした場合、給与所得金額は、自分への給与600万円-所得控除金額(600万円×20%+54万円)=426万円となります。
注)所得控除金額は、所得の水準に応じて段階的に異なります。
上記をまとめると以下の表の通りとなります。
単位:万円
個人事業主 | 法人 | 社長 | 差額 | |
売上高 | 1,000 | 1,000 | – | 0 |
自分への給与 | – | ▲600 | 600 | 0 |
その他必要経費 | ▲400 | ▲400 | – | 0 |
給与所得控除 | – | – | ▲174 | ▲174 |
所得金額合計 | 600 | 0 | 426 | ▲174 |
所得税(法人税) | 70 | 0 | 35 | ▲35 |
住民税 | 62 | 7 | 45 | ▲10 |
事業税(個人) | 16 | 0 | – | ▲16 |
法人化した場合の所得税等のメリット金額 | ▲61 |
上記表の通り、個人、法人、給与所得者(社長)の所得に応じた税金額を計算しました。
・個人事業主の場合、約148万円の税金負担
・法人の場合、約7万円と給与所得者(社長)の80万円で合計87万円の税金負担
・差引61万円も法人化(会社設立)したほうが有利ということとなります。
当然ある程度所得が発生している場合に限定されると思いますが、法人化(会社設立)を考える1つの理由にはなりそうですね。
引き続き今後、みなさんに法人化のメリット、デメリットをお伝えできればと思います。
【編集後記】
夏らしい日差しとともに朝の通勤中にゲリラ豪雨に合いました。
急な豪雨って夏らしくていいですね。雨が降った後、アスファルトが乾き始めた時の独特の匂いをかぐと「あぁ~夏だなぁ」と実感します。
会社を仙台で設立するなら税理士・公認会計士の伊藤宏平にお任せください。
それでは、また。