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2016年08月16日

【会社設立するなら知っててほしい】中小企業の交際費等のあれこれ

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【会社設立するなら知っててほしい】中小企業の交際費等のあれこれ

みなさん、こんばんは。仙台税理士・公認会計士の伊藤宏平です。

さて、今日の内容は、会社(法人)に課される法人税のお話です。中でも「交際費等」については、会社の社長さんであれば当然に聞いたことがあるのではないでしょうか?

また、会社で経理をご担当している方であれば何が交際費等に該当し何が交際費等に該当しないか知ってて損はないと思います。

【交際費等ってなに?】

<交際費の定義>

それでは、始めましょう。

まず最初に交際費等って一体なんでしょうか?

思いつくもとしては、お客さんと飲みに行くことなどを想像するのではないでしょうか?

ただし、税法においては、より詳細に誰にどういったことが交際費等に該当するか定義しています。

<交際費等の定義>

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く)をいい~(以下省略)

以下、次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く

一 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

二 飲食費であって、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用(政令で定める金額とは、1人当たり5千円以下)

三 前2号に掲げる費用のほか政令で定める費用

以下、政令で定める費用

  • カレンダー、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品の贈与で通常要する費用
  • 会議に関連して、茶菓子、弁当その他これらに類する飲食物を供するために通常要する費用
  • 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用

【出典:租税特別措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)】

上記のポイントは以下の①~②です。

①交際費等とは「事業に関係のある者に対する支出」であること

これは、事業に関係のある者というのは、「得意先、仕入先等のように直接関係のある者だけでなく、間接的にも関係のあるような、法人の役員、従業員、株主」といったものまで対象の範囲が広がっているのです。

②交際費等とは「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」のために支出するものであること

これは、取引関係を円滑に進めるために飲食や観劇、旅行などによる接待、供応、さらには慰安を行うこと、さらに贈答する行為のための支出ということです。

 

【交際費等の取扱いは?】

それでは、交際費等に該当した場合、法人税法上、どのような取扱いがされるのでしょうか?

(1)得意先、仕入先等などに対して発生した飲食代が一人当たり5千円以下であれば支出した金額は、損金算入が可能です。

ただし、次のポイントを具備する必要があります。

①一定の書類を保存すること。

具体的には、以下の内容を領収書等に記載して保管することが必要となります。

  • 飲食等をした年月日
  • 得意先等の氏名、名称及びその関係
  • 費用の金額
  • 飲食店等の名称と所在地

②役員、従業員及びこれらの親族を接待するものではないこと

これは、得意先や仕入先等ではなく、そもそも社内における飲食代は×ということです。得意先や仕入先等を接待するために参加した社内分は認められます。

(2)接待交際費

上記、5千円以下基準に該当しない得意先、仕入先等を接待するために支出した飲食代については、損金不算入となります。

ただし、【中小企業の取扱いってどうなるの?】に記載している通り、50%は損金算入することが可能です。

(3)その他の交際費等の額

①、②に該当しない交際費等に該当した金額は、損金不算入の判定対象となります。

 

①1人あたり5千円以下基準の飲食費 損金算入

②上記に該当しない接待飲食費

(50%は損金に算入できる)

損金不算入判定
③その他の交際費等の額

 

【交際費等の損金不算入にするのはなぜ?】

「交際費等は、損金に算入できません。」というと必ず何でですか?と思うのではないでしょうか?

会社の営業上、取引先と円滑に事業を行う上で必要なものではないか?と言われれば確かにその通りで全額損金算入すべきものとも思えます。

では、なぜこのような制度ができたのでしょうか?

これは、創設されたのは、昭和29年の時代において、資本蓄積のために無駄な支出を抑制するために設けられました。

まだまだ当時の日本は貧しい時代に資本力を高める必要があるにもかかわらず遊行飲食費のような使用を抑制する風潮にあったようです。

少しでも無駄遣いをなくし会社の資本力を高める必要性があったのです。

こうした理由から、交際費等に対する制度が設けられました。

【中小企業の取扱いってどうなるの?】

それでは、中小企業での取り扱いについてですが、資本金の額を基準に取扱いが異なります。

<大法人>

資本金の額が1億円超の税法上の大法人である場合、交際費等に損金算入限度額はないため、全額損金不算入となります。厳しいですね。

<中小法人>

一方、資本金の額が1億円以下の税法上の中小法人である場合、交際費等の損金算入限度額は、2通りありますのでどちらか有利な方を選択することとなります。

①接待飲食費の50%

②800万円に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除した金額(新設法人、企業再編などにより事業年度が12か月を下回る場合は、実際に事業活動した月数を12か月で除すこととなります。)

①or②のどちらか大きいを選択(有利)することとなります。

なお、資本金が5億円以上の法人に100%株式を保有されている関係(完全支配関係)がある場合は、中小法人であっても大法人と同じ取扱いとなることに留意してください。

大法人 中小法人
資本金の額 1億円超 1億円以下
交際費等の損金算入限度額 なし。

全額不算入

①接待飲食費の50%

②800万円

①or②のどちらか大きい方

なお、資本金が5億円以上の法人に100%株式を保有されている関係(完全支配関係)がある場合は、中小法人であっても大法人と同じ取扱いとなることに留意してください。

 

【おまけ】

いかがでしたでしょうか?

交際費等って事業を行う上で不可欠なものではありますが、その使用には、十分に留意する必要があります。

会社のお金は、無尽蔵にあるわけではありません。良い時もあれば悪い時もあります。なので必要以上の利用は避けることが会社の存続にも大事であると思います。

【編集後記】

台風7号が太平洋を北上しているようです。その影響でお盆に行く予定だった旅行が断念となりました。自然の力には敵いません。

ただ当初の予定がなくなったからといって何もしないのはよくありません。こういった予定の変更は、プライベートだけではなくビジネスにおいても生じることです。

なのでこんな状況においても臨機応変に対応できる対応力を身につける絶好のチャンスです。

というわけで、嫁と二人でのんびりとドライブをして普段いかない近所の居酒屋さん散策をしてました。

他には、嫁が最近そばを良く食べていて、好きということもあるので山形に行き田舎そば(店名:伊勢そば)を食べてきました。久しぶりに田舎そばを食べ満足することができました。

会社を仙台で設立するなら税理士・公認会計士の伊藤宏平にお任せください。

それでは、また。